― マーチェス平原:交戦中 ―
[>>11 自分こそが解放軍の副将だと名乗りをあげても、目の前の剣士は怯むことはなかった。
寧ろ、どこか楽しげな色を銀灰の双眸の乗せているのは、やはり彼も戦士ゆえだろうか。
斧と剣、互いに譲れぬものを乗せて、ぶつかり合う。]
お前さんを……
通らせはせんッ!
[>>12 一閃を弾き、重い一撃を食らわそうと斧を振り下ろした。
転がるのを踏みとどまろうと、一瞬そこに立ち止まるかと思った。
その場所へ、的確に大斧を降ろしたが。外れた。
態勢を立て直すのは間に合わないと、咄嗟に判断した剣士の経験であった。
一瞬のその判断だけでも、彼が相当な手練れであることは想像に容易い。]
ふんッ、良い判断だ。
[まともに喰らっていたら、頭をかち割られていただろう。
地面を大きく抉った斧を引き上げ、再度振り下ろそうと構え直す。
―――然し、二度目は叶わなかった。]