[さらに問われれば、彼が知る、此方に起こったことを聞かせただろう。
エレオノーレがその場にいたならば、何か補足してくれることもあったかもしれないが。
一点、怪我人としてカークの名を出さなかったのは、やはりどうしても、残っている者たちの中では警戒している相手だったため。
カークがあの有様で外を探し回っているということを告げるのには、どうしても躊躇があった。
此方から問いたいことも、様々にあるが。
まずは一つだけ、聞いておくべきことを]
今、あんたはどこに?
探しに行った連中とは会わなかったのか?
[端的にそれだけを聞き返す。
ホログラフ通信の向こうに見える光景は、青年がこれまで訪れたどの場所とも違うように見えたが、それがどこなのかまでは分からない。]*