[ その後、次第に彼女に怒鳴りつけることも当り散らすことも、
荒ぶることも無く、普通に話せるようになった。
しかし彼女は副艦長。控えめに言っても多忙な身だ。
それなのに幾度も僕のことを気に掛けてくれていたのだから。
怪我が完治するまでの間。
さらに精神的にも落ち着くまでの間、彼女の計らいにより
銀羊号の片隅で過ごすことが出来た。
争いも戦争も無い、人の死なない地である銀羊号は
僕にとって心地良い場所だった。
──しかしプロジェクト『ガルム』関係者が
姿と身分を隠し船に現れたことにより、僕は連れ戻され、
銀羊号を降りる結果となった。]