― 学校跡地 ―
[ 『どちらへ!?』と叫ぶ部下に『確認する事がある、ファロン少尉とフォルテア隊に合流しろ』と叫んで、その後はどう進んだのか。
帝国軍が新たな拠点に選んだとの情報もある士官学校跡地に一人で向かうのは無謀だ、そう頭の片隅を過ぎる声を振り切って、馬脚は二人乗りで進む将校二人からさほど離れずに敷地内へと辿りついている。 ]
……こんなになってたのか。
[ 緑の木々が腕を伸ばして葉影を広げていた中庭、懐かしい校舎、雛たちが暮らした小さな巣――寮までもが、面影を完全に失っている。 ]
まだ三年も経ってないのに、こうまで……。