[ 一時目を閉じて開けたときには
目の前にあるのは見慣れた笑顔で>>159
安堵の滲む表情を見れば
胸の底が鈍く痛んだような気がした。
柔く微笑み返して見せるけれど、
上手く笑えていたかどうか自信は持てず。 ]
いえ…国王陛下が崩御されてから、
十分にお休みも取って居られないのではと
心配していましたから。…此れでも。
[ 交わす言葉の中に沈鬱な響きを感じ取って
微かに眉を顰めはするけれど>>160
顔を見られただけでも何よりだと
言葉で伝えるだけに留め置いてから
問いかけに緩やかに首を振る。いいえ。と。 ]
絵を描く気分にはなれなくて…
画材とそれから…お茶請けを買い出しに
街へ下りていたところだったのですよ。
[ 手に持った紙の袋を振って示して、
王子とはやや離れた位置に腰かけようとすれば。 ]