[ そこに届く、殿下、と、揶揄うように魔将の呼ぶ声>>176そして我が僕というのがアイリを指すと、そこで初めて認識して... ]
貴様が...リーに、呪をかけたんだな?
[ 視線を魔将に移すと、その手に黒の矢が産み出されるのが目に入る。それが狙う相手も ]
ナイジェルッ!!
[ 反応は殆ど反射だけだった。腰のクレイモアを抜き放たれた矢をたたき落とそうと振り抜く。魔力で作られた矢は折る事は出来なくとも、警告の声を聞いた従者は、低く身を伏せて、矢を辛うじて避けた ]
「お、おうじ...!」
行け...行って、将軍に伝えろ!
[ 常の皇太子の口調に戻って、鋭く投げられた声に、はい、と頷いて従者は必死で炎の向こうへと駆け出す ]