[ネリネを買いに逢いに行く。またある日を楽しみにできるように、と彼が"約束"を口にしたならば。]
ふふふ、それは凄く、……凄く素敵。
ねぇ知ってる?
……あの日から、私……
ネリネの花を切らしたこと、ないのよ?
[そう告げた。
……だって、また会う日を楽しみにしていたから。
肝心の本人のことが、すっかり大人になっていて、一目では分からなかったりもしたけれど。
言いながら、照れくさくなって視線を逸らす。
しかし、自分の頭を撫でるような感触が伝われば>>145、一瞬驚いたような顔をして、へにゃっと頬を緩ませた。]
[結局一番好きな花を教えてくれることはなかったのよね。>>146
聞いてもいつもはぐらかされて、口では拗ねてみせたりもしたけれど……でもそれが嫌ではなかった。
だって……一番好きな花を聞き出すために、彼の元に行く口実が出来るから。
(でもね、ロー。)
(そんな言葉、勿体ないよ。)
優しい言葉をくれるローには悪いけど、自分はそんな上等なものではない。
守られる必要のない人間だから、誰かを守りたいだけ。そうやって存在理由を他人に求める。
そんなズルくて臆病な人間。……強くて凛々しくなんてない。>>146]