― 回想・卒業直後 ―
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(え。あ。うん。……ご卒業、おめでとうございます)
(――…これからも、よろしくな)
改めて言葉にすると、謎の気恥ずかしさに襲われる。
節目の挨拶は大事なことだ。
きちんとした医師にかかり、きちんとした治療を受けること。
ヒンメルと同居する理由。一番大事なことだ、忘れたりしない。
ふわふわと浮きそうな気持ちを抑えつけようと、何度も自分に言い聞かせる。
何故こんなに楽しいのか、自分でもよくわかっていなかったけれど。
なんだかひどく、楽しかった。