― 回想 ―[煩わしく思うのは、己の責務に理由をつけること。背に羽を生やした如く自由奔放な本質に、義務の重石を乗せて地に留まる性質。噴水に溜まる水面に木の葉が落ちる頃、一つの侵攻が計画されていた。野茨城と呼ばれる辺境城を落とせと言うのだ。野茨城陥落により、使徒開発は真の完成を見る。それ自体には何の感慨も覚えない。己の身体が作り変わったことも、次子と生まれた時から言い聞かされてきた。唯一、今の己が不満を抱えるとすれば―――、] 華が足りない。