― 海精軍拠点 ―
[帰還した兵たちの治療に追われ、慌ただしく時間は過ぎていった。
コンラートの状態が一時危なかったが、アリーセの血を媒介とした術が功を奏したようである。
それ以上に効いたのは彼女の名前を出したこと>>120だったのかもしれないが、真実はコンラートだけが知っているだろう]
[そんな中ではあったが、リーゼのお願い>>130を忘れることはなかった。
それは何より、自分自身の願いでもあったから。
休息のため天幕へ向かったラートリーを訪ねたのは、それから間も無くのことだった]
お休みの折に申し訳ありません。
――リーゼロッテより、言伝を預かっておりますわ。
[リーゼのお願いを告げれば、ラートリーは少し思考した後それを受け入れてくれた。
お礼と共に頭を下げると、通信具を手にその場を立ち去った]