[やがて、どれほど時間が経った頃か。
もしその場に誰か――残っていたとしたらエレオノーレだったろうか――がいたならば、話などしていたと思う。
この事態に対する意見交換の続きや、ノトカーやハダリーのことであったり、寝不足コンビ(自分は勘定していない)に対するどうしようもねえなあれ、という溜息交じりの感慨であったり、別の話もしたかもしれないけれど。
ホログラフ通信の呼び出し音が、再び鳴り響いた。]
……電話番だな、俺は。
[さては先に出た誰かから通信かとパネルを操作すれば、そこに現れたのは、予想外の人物。
一瞬の間、反応することが出来ず押し黙るが。]
――あんたか。
フィオンが怪我をしたときに――もう一人、だな。
あんたとノトカーの行方が分からねえから、何人か探しに出てった所だ。