オズワルド、お前に人の情が少しでもあるのなら…
今日ディークが贄になる場合、俺を襲撃しろ。
[淡々とした口調で告げ、オズワルドを見る。]
「ソマリ」を残せばディークをミンチにする事になるぞ。
[愛するフェリクスを牙にかけられたとしても。
「ソマリ」を任すと預けられる程に信頼を預けたギィを牙にかけられたとしても。ソマーリュは自我のストッパーを外してしまうつもりでいる。
「ソマリ」にとっての二人がどうであれ、結果的に何も選ばずルージュ側に荷担したディークに対し、凶行に及ぶのは目に見えており]
……「あの時」、
お前が危険だといち早く気付いた時に…それを皆に打ち明けるべきだったんだ。何かが違っていたかもしれない
[今更口に出しても愚行は取り返せない]
…ここまで絶望的な盤面を築いたのは、すべて俺の責任だ。
せめて…せめて……っ
[涙が一筋、瞳から頬へ伝い落ちる。立ち去る寸前、カップとソーサーに手が当たり、床の上で破片となった*]