人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


純血種 アプサラス

― 少し前・二階個室 ―

[魔物と人間。捕食者と糧。
そう定められているなら何故、魔に転じても酷似した形をとるのか。
姿も心も、時として在り方さえも境界が滲む。

屠るための家畜のように、人を襲う野の獣のように、
同胞にはなりえないと一目で解り、言葉も心も通じずに済むのなら、まだその方が。
隣人としては生きられない互いにとって、せめてもの幸いになったのではないかと思ってしまう]


 ――……、



[爪で傷付けた掌から滴る真紅は、ドレスの裾の影で、小さな水溜りを湛えつつあった。呪力で人間の足を掬い、動きを封じる心算で。

封じて、そして――――その後は?
逃がすか、殺すか、魔物にするか。
己の選べる道は全て、新たな禍根に通じるだけだと浅く息を吐く]

(180) 2014/02/22(Sat) 13:55:24

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