[――じっと彼女の後ろ姿を捉えている。
細身の体が儚げにゆらゆら揺れて。
揺れる黒い髪。
僅かに見える、白い首筋。
――あの子、ヴィクトリア、って言ったっけ…
ゆらゆら揺れるその様は、まるで一輪の花。
――手折ってやりたい。
その白い首筋を、この手で一息に手折ってやりたい。
或いはその首筋を、両の手で握り潰してやりたい。
それが叶わぬのなら、その喉元を掻っ切って、きれいな紅い花を咲かせてやろう。
そうしてお前のはらわたを、懇ろに味わってやろうじゃないか…!
――無意識にうごめく、色とも食ともつかぬ欲に、未だ気付く気配すら無く*]