[あれこれとカフェ内を散策して回ったが、傷薬以外目ぼしい物はない。だが上腕二頭筋の疲れは先ほどに比べるとずっと楽になっている様だ。]
案外効果があるのかもしれないな。
[そう独りごちると、不安を振り払うように腕を振って歩く。自分が表に出て歩けば、丁度カフェへ向かうローレルの姿を見かけただろうか。>>159]
…ローレル。
話は聞いた。君の怪我は大丈夫か。
ユーリエの事…すまない。保護の名が聞いて呆れる。
だから、どうか自分を責めないでほしい。
[一人になりたくてこんな辺鄙な所にやって来たのかもしれない。そうは思うも、声を掛けずにはいられなかった。
―最もそうした所で気の利いた事など言えないのだ。そんな己に増々腹が立つ。
気分転換も必要だろう。自分が見た限りカフェ跡は危険地帯でもなさそうだ。
そう思えば、そのまま彼女に別れを告げ、宿泊所へと戻るだろう]