― 第2エリア・通路 ―
[ (やっぱり敵わないなぁ……)
ロー自身、こんな状況で混乱や不安がないわけではないだろうに、
こちらを気遣って、会話をしてくれる様子に、目を細めた。
昔から、彼の声が好きだった。>>91
だからだろうか、彼の語る言葉に、自然と笑みがこぼれる。
カッコいいって言われる人間じゃないと、謙遜する彼。
(……ううん、君は昔からカッコいいよ。)
きっとそう言っても、言葉が彼に届くとは思わなかったから、
そう、内心で伝えておく。
閉じ込められても、ローは未来を見てた。
立ち止まって、現状に甘んじる私とは、大違いだもの。
謙遜という盾で何を誤魔化したのかは気付いていない。
でも唇をツンと尖らせて、まるで拗ねたように言う彼は、子供の時を連想させた。]
あはは、じゃあ、そういうことにしといてあげる。
"ソレ"……変わってないわね。
[彼の唇は正直だ。
困ると引き結ばれて、拗ねると尖る。
くすくすと笑いながら、そう告げた。
彼が何を考えているのかまで>>144、至ることは到底出来る筈もない……。]