……ああ、オットー。
俺にも紅茶を頼むわ。
[茶の支度を始めたオットーの背中に向けて声をかける。それは、誤魔化しのようにジムゾンには見えたかもしれない。
リーザの事を告解した後、神父としてではなくジムゾンの言葉で、「中途半端だ」と言った>>169。
――その通りだ。
何もかもが正しく、言葉ひとつ返せないまま、ただ、嗚咽する他なかった。
それから何が変わった?
愛しいと、守りたいという想いは増す一方なのに、関係は何も変わらない。ただの宿主と居候のままだ。
実の娘のように可愛がり、リーザにも気を使わせたくないのに。
その、たった一言が、言えない]