人狼物語−薔薇の下国

448 vinculum lapis


電気石の赤鬼 キアラ

 確かにそうだ。
 鬼族の食べ物も悪くはないけど、こんな風に「美味しい」って思うことはなかった。

[土地の貧しさや他国との断絶を、持ち前の豪快さで誤魔化してきた部分もあっただろう。
 下層で触れた感情の澱みを思い出しつつ、トーマスの料理を口にした時の『幸せだ』という感情を思い。
 トーマスの傍らのシェットラントに、軽く笑みを向ける]

 何も言わずに接してくれるってのも、それはそれで有難いけどね。

[それは島を訪れたミリアムや、ここに居る面々に対しても思っていたことで。
 しかしトーマスが示してくれたのは、その"先"のこと]

 うん、そうだ……。
 この美味しさを、島のみんなにも。
 ――周りの人たちにだって、知ってほしい。

(179) 2016/09/26(Mon) 01:04:39 (suzukake)

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