― オプティモ・クレメンス邸 ―
[飛行船の準備が整う間に、北での戦況の詳細や、シメオンがソマリと会見した事についてもカナンから知らされる]
巫女姫が前線にというのはやはり本当だったか。そういえば、君は巫女姫をどう見たかね?
[問えば、大使としての見解と恋する外交官としての感想、どちらが返ったか]
そうか、シメオンも…無事に辿り着けていればいいが。
[クロードの元へはシメオンも向かったという話に、そう返すと、二人の間に心の声が繋がる事を伝えられ、成る程、と頷いた]
君と離れることにシメオンの躊躇いがなかったのはそのせいか。
[アレイゼル卿との交渉をというカナンに、男はまた楽しげに目を細める]
君と会って、あのソマリ・フル・アレイゼルがどんな顔をするか見られぬのが残念だ。ああ、乗組員の皆は、街で手伝ってくれているが、良かったら同行したまえ。
それと、義勇兵諸君だったか?彼等もここで降りてもらった方がいいだろう。何しろ行く先は解放軍の陣地だ。
[飛行船の操縦をしてもらう人員は必要だろうが、それ以外は男と同行せぬ方が安全だと、そう言った]