[この契約者の言葉の途中に、傀儡はサンデッキの柵から身を乗り出して海を見下ろします。
大雨のせいか、上昇した海面。腕を伸ばし、人形を具現化させ、
何をするかと思えば、]
雪女の怪――白息吹
[海面へ向けて、雪が降ります。それは、肌を突き刺す硬く白い風ではなく、優しく大地を覆う綿雪が如く。
しかし、一度水に触れてしまえば、海雪のように儚く消えてしまうことはなく、
少しずつ、水面を凍らせてしまいます。]
ほあ、凍った。
[完全に魔法の練習とかではなく楽しんでいますねこいつ。
氷が広がりゆく様を、人形を揺らしながら見下ろしているのでありました。]**