[巡見の許可を得られると]有難うございます![と一層敬礼の指先に力を込め礼を述べた。玄関扉に手を掛けた際に拾いあげた声に振り向くと、上官は背を向け立ち去るところだった。]ご期待に添えますよう、全霊を込めて…![この短い任務の間にも、口少なとわかる上官からの言に身を震わせると、その背が消えるのを見詰めてから、外への扉を開いた。]