― 『澱み』の集う場所 ―
[時折放たれる艦砲は、艦に乗り込もうとする海産物以外に、先を行くミヒャエルの援護も担っていた。
砲撃の振動が床を伝って身に届くのも、だいぶ慣れてきたように思う]
む。
[その最中、ざん、と水面を割る音と共に伸びる触手が一つ。
色は他と同じ鈍色だが、以前にも見た姿がそこにいた]
あの時よりは小さいか。
[食料となった巨大海老と共に現れた巨大な烏賊。
それよりは二回りほど小さかったが、それでも十分な大きさのものが艦を狙ってきた。
船縁に取り付いた触手の一つは護衛が斬り落としたのだが、残る触手も次々と海面から伸びてくる]