[そうして別れる段になり、その前に、と兄が一枚の羊皮紙をクリフへと差し出してくる。
何を意味するのかを察し、男性へと羊皮紙を差し出した]
今日の記念に、どうぞお納めください。
杯の返礼というには、釣り合わないものですが。
[「釣り合わないは余計だ」と兄に小突かれつつ、朗らかに笑う。
羊皮紙にはスケッチ程度のものではあるが、杯を交わす男性とクリフの似姿が描かれていた]
兄は画家なんです。
まだそんなに売れてるわけじゃないんですけどね。
[「だから一言余計だ」とまた突っ込まれつつ、男性の反応を見てからその場を去る。
貰った杯を大事そうに抱え、クリフはこの街での沢山の出逢いに心を躍らせていた**]