[男は尚、笑う。
クララはカイを理解出来ないまま、大量の血を浴びる。]
そうよ、貴方がカイだって事に気付いてたわ。
貴方は知らないでしょうけど持ち出して行った金は私の目の為の資金だったの。貴方のせいで――、いいえ、一概にはそう言えないけれども。
私の目は見えなくなるのよ。
[どうして?、と訊ねても答えは返って来ない。
クララがナイフを離すよりも前にカイの身体が血溜まりに倒れた。]
でも、貴方を殺すのは貴方を憎んでるからじゃないわ。
そんな事、どうでも良いの。本当よ。
私が望む結末を見る為に貴方を殺すのよ。
[カイからは倒れたらきちんと止めを刺す様に教わっていた。
彼の熱い胸板、心臓のある位置へとナイフを振り下ろす。]