[ そもそも、上空で隙を窺っていた自身より、間断無く攻撃を続けていた同輩達の方が消耗は激しかったはずだ。その点一つとっても、自分の手柄とはとても言えないと、カレルは本気で思っていた。しかし殴り飛ばした巨狼に、思わぬ礼を告げられ、オクタヴィアスに賛辞を貰って>>143おろりと、目を泳がせる。 ]
いえ、その...本当に、みんなのおかげなので...でも、お役に立てたのなら、嬉しい、です。
[ のぼせたように頬に朱を昇らせ、漸く、そう口にしたカレルの横で、風竜の方は、ピュルル!と高く鳴き、無邪気に『凄いでしょ!』と自慢する様に胸を張っていた。** ]