きみは何をしにここへ?
…どうも――ボクを探しに来たわけじゃないようだけど。
[ 相手の顔を見ないままであれば立場を知りようもなく
絵筆を動かしながら聞いて、よかったらどうぞと
机の上の茶菓子を片手で示して見せれば、
続けられた質問に画家はぱちくりと瞳を瞬いた。 ]
……随分と現金な質問をするんだねえ。
どちらの王様候補に取り入っておいた方が得かって話かな?
[ ふふりと笑ってストレートに尋ね返せば、
質問の底に差別的意図が含まれているとは
知らぬ存ぜぬのまま少し考える素振りをしてみせて ]