[>>156なにやら向こうで聖前を絶賛する声が聞こえて、そちらを見れば。何かちらりと狐色のものが見えた気がしたが、気のせいだろうか?
よく見れば隣は空席のようだし、そもそもペットを連れ込んで同席なんて無理だろうから。
きっと目の錯覚だろうと己に言い聞かせる。
いや、今はそれよりも――。]
(やっぱ聖前って女子に人気あるんだな…――。)
[物腰柔らかな彼は図書室を訪れる女子生徒に人気が高いと、べつの図書委員から聞いたことがある。
こうして改めて彼の高評価を目の当たりにすると、なんだか寂しい気がして目を伏せた。]