[聞かされたのは、創造の呪を身に宿す末裔の名。
旧き同族の口に上る折には、その響きは往々にして嫌悪を孕む。
けれど、眼前の男についてそれ以上もそれ以下も知り及ばぬ娘には、厭うも好くもない。
彼がその呪を同胞に蔓延らせる趣味でも持ち合わせていれば、また話は変わってくるが、城主の客人に無礼を働く気などなく]
お初にお目に懸ります、アプサラス・シュトラウスと申します。
どうぞお見知りおき下さいませ。
[――何よりも、この親戚の客人である以上は興をそそる人物なのだろうと推察し、柔らかな笑みで好奇心を綺麗に包み隠す]