[宿屋へ向う道中、アルビンは白い息を吐きながら呟いた。]人狼、か。生き物をそのまま凍りつかせるほどの氷に閉ざされた時、銀色に輝く月に照らされた「人狼」がその血に目覚める、だったけな――。[其れは村の図書館で見つけた本に書かれていた。初めてその文章を見つけた時に確かめる様に印刷された活字を指でなぞり言葉を紡いだ。その時、クララが傍に居たのだったけ。彼女がどんな表情をしてアルビンの言葉を聞いたか思い出せなかった。]