――カスパル宅――
[ふと、言い争う声に混じるのは細く長く伸びるヴァイオリンの音色。
家の外より響き渡るそれは、家の中にいない見習い魔女の魔法を知るものにとっては、不吉の調べにも聞こえるかもしれない。
――その予感を肯定するよう、突如響き渡るのは轟音だ。
彼らが集まる一室の壁が一か所、外からの衝撃に破砕する……!]
誰が言い争っているのかと思えば、役者が全員お揃いとは話が早いですね。
[土煙と瓦礫の向こうに覗くのは、ヴァイオリンを構えた見習い魔女。
その傍らに、水で形作られた中型の竜を侍らせて、にっこりと一同へ微笑みかけた]