うん、フェリの隣でこうしてると、安らかな気分になれる[彼をダンスに誘った十数年前。光のない瞳を窓に向ける青年の横顔があまりに美しくて。自分も高い身分であれば、あの人に触れられるだろうかとありもしない期待をした。踊ろう、と声をかける事ができたのは――…淋しげな瞳に光が点ったら、彼はもっと美しくなるのだろうと。ならばそれをこの目に一瞬でも映したいと。]