人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


白の剣士 ジークムント

― しばらく後・クラタエグス砦 ―

[ 次に目覚めた時、身体から熱と痛みは随分と引いていた。或は寝ている間に、更に治癒の術が使われたのかもしれない。まだ万全とは言い難いが、なんとか動くことは出来そうだった ]

『食事だ』

[ 目覚めてすぐに、兵士の一人が、スープとパンだけの食事を運んでくる。後ろに監視の兵らしいのが二人もついている辺り、随分と大袈裟に警戒されているものだと苦笑が零れた。誇大広告の効果覿面といったところだろうか? ]

……なあ、この軍に竜人がいるよな?

[ 兵士が立ち去る前、ふと思いついて声をかける。兵士はどんな様子を見せたか。あまり良い感情を抱いているようには見えなかったかもしれない ]

…いや、珍しい奴を抱えてるもんだと思ってさ。単なる好奇心、てやつだ。

[ 本当は、伝えたい事がある…だが、それをこの兵に言う事は、彼女の立場を悪くするだろうと、諦めた ]

(178) 2013/07/15(Mon) 10:37:03

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