[地下室へ戻るとシュテルンがベッドに腰掛けて、心配そうに扉を見ていた。]
中には何も居なかったわ。
特に危ない事はなさそう。
もう少し奥まで見て来ようと思うの。
[鞄から残った1錠を取り出すと口に放り込む。
今度は失敗なく飲み込めた。]
ねぇ、シュテルン。
もし、もしもの話だけれど。
私が夜になっても戻らなかったら、この扉は完全に閉鎖した方が安全だと思うの。
誰かに伝えてちょうだい。
それと貴女とエレオノーレのお話をちょっとだけ聞いちゃった。
この情況だもの、ご両親といつ再会できるかわからないけれど、気をしっかり持ってね。
どんなに辛い事があっても、一人ってそれだけで完璧なのよ。
[シュテルンの頭を撫でながらそう言い残し、再び通路へ入って行った。]