[クララの困惑>>177を背に。可笑しそうに嗤うのは止めずに。]
……嬢ちゃんが俺のことを気づいてるかどうかは、まあちょっと賭けだったさ。
……けど、嬢ちゃんのその行動……そうだろうなとは、思ってたんだよ……
「わたしも今度は大人しくせず」……って言うからな……
なんとなくだが……ピンときた。
どうして……ね。………っ!!
[手首を捻られれば、今度こそ、引きちぎられる内臓と、大量に迸る鮮血。
意識が持って行かれそうになる。
――ああ、あと数秒くらいで気を失うのかね。などと。どこか醒めた頭で考えて……
――いけねえいけねえ。アレのことだけは教えておかねえと。
意識を手放す間際。彼は指先で、自分の脇腹のあたりを、指で何度か叩く。
そうして彼は血だまりの中、前のめりに倒れた。意識は無い。放っておけば失血死で死ぬだろう。
ジャケットの脇腹のあたり、ポケットの中を探れば、厚めの紙が入っている。
なお、彼はクララに先に教えている。人間はうっかり蘇生しかねないから、倒れたら首なり心臓なりをちゃんと突いてとどめを刺せと。]