― 村中、宿屋に向う道中にて ―[ディーターと別れてアルビンは宿屋へ向う。ディーターに言った通り、教会には後で向うつもりだった。まだ村に住んでいた頃、アルビンは足繁く教会に通っていた。傍目からは熱心なクリスチャンに見えたかもしれない。らしくもなく、神父となったジムゾンの事は神父様と呼んで敬っていただろうか。殆ど欠かさず日曜日には教会に行ってミサを聞いていた。小さな教会、だけども神聖な空気を纏うその場所で静かに幼いアルビンは祈っていたものだ。]