わちきは、あの時、あの子に力を貸した。
それは確かだし、その事実をどう使おうとあの子の……そして、その先を継いできたものの自由さね。
だから、そんな大層に思い詰めんでもいいんよ?
実際のとこ、わちきは最初以外にはなーんも手助けしとらんのだからね。
[それは恐らくは言わずもがなな事だろうが]
……だから、これからも。
必要ならばわちきの名を使えばいい。
とはいえ、そこにあるのは変化のない、停滞に過ぎん事が多いねえ。
過ぎる停滞は、世界そのものを澱ませる。
主らがわちきにすまんと思うなら、停滞を打破して澱みを生まぬ在り方を探しとくれ。
それができるのは、主ら、現世にいきるものたちだけだからねぇ。
[最後の部分紡ぐ刹那。瞳に宿るのは、静かでどひか、優し気な光。*]