[ "助けたい"と、願うけれど。それは、ゲオルグが死ぬとき、手を掛けるとき。それまでは、恐らく、ナネッテが裏切ることはないだろう。人間なんて嫌い!と叫んだ少女が、放っておけないことに相違はなくて。支えてやりたいと思った気持ちにも嘘はなくて。彼女が、間違っているとは思わない。正しいことだとも思わない……人間も人狼もお互いに。だから。静観の構え。企みがバレ、自覚した牙で。裏切者を噛み砕くならば、それでもいいか。けれど。裏切りをみせるとするならば、最期だけ。 ]