[肩の真白がきゅ、と小さく声を上げる。青年はひとつ息を吐き、髪留めを外して乱れた髪を適当な紐で結い直した] ……ま、このまま即逃げってのも。 情けねぇ通り越して……ってモンだしな。[いずれは対さねばならぬとわかっている。ならば、と。そう、思い切った青年は、緩く、魔力を紡ぎ始める] どこまでやれるかは、わからねぇが……最低限の挨拶は、しとかねぇと、だよ、なぁ。[そこにある、強き光に己が意思を示すためにも、とは口にせず。髪留めの血石に血を食ませ、緩く、呪を紡ぐ]