― メインサロン付近 ―
[ここに来るまでに、互いの名前くらいは名乗って居ただろうか。
ふと、鼻を掠める臭いに違和感を覚え、スンと鼻を鳴らす。]
この臭いは…?アイツめ!やるじゃねぇか!
[立ち止まって辺りに臭いの元が無いか見回していると、後ろから着いてきていた彼女がふらぁと前を通り過ぎていった。]
どうしたの?どこへ行くんだい??
[虚ろな様子の彼女の口から溢れた>>94のは、思いもよらない台詞だった]
じんろう…?まさか、どうして…!
この女…何故血の臭いを知っている?
[お祈りをしてくると頭を下げる彼女を止める事はどうにもはばかられた。
ゆらゆらと儚げに歩いてく彼女の後ろ姿を、ただただ眺める事しか出来なかった。]