人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


白の剣士 ジークムント

― 回想 ―

[ 結局、傭兵達は去っていった。だが見限られたのだとは思わない。見限るなら、先に突出し過ぎた彼を見捨てれば良かったのだ ]

『…置いて逃げるしかなかったから、見捨てたと思われたんでしょうか?』

[ ロー・シェン達が海精軍についたと判った時、再び副官が問いかけてきた。ずいぶんとしょんぼりした様子だったのは、共に戦った二ヶ月ほどの間に、彼なりに傭兵達への考えが変わったからだろう ]

思われたかもしれねえな。あいつらを取り戻す為だけに交渉する余裕は、実際に俺達にはねえ。

[ 彼がすぐに動けたなら…その悔いは残る。だが、そもそも彼が倒れなければ、傭兵達が取り残される事はなかったのだ。それは悔いても詮無いことだった ]

だが、あいつらはやっぱり生きて戦ってる。
俺たちも生きて、奴らに落とし前つけに行こうぜ。
好きで見捨てたわけじゃねえって、知らせてやりにな。

『……はいっ!』

[ どこか泣きそうな顔で頷いた副官は、無事に生きて戻れたろうか? ]

(177) 2013/07/15(Mon) 10:19:35

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