アイリにココンか、世話になる。
[ 騎竜師達の自己紹介を受けた後>>168自分の顔を忘れてはいなかった様子のリュカに>>171男は、にこりと笑みを向けた。 ]
覚えていたか、リュカ。久しぶりだな。
今は俺も国を出た身だが、それなりに自由に暮らしている。
[ 青年時代、既に、一部から皇太子の政敵と見做されていた男がナハティガルに留学したのは、一時避難のようなものだった。
勉学に励むと言うよりは、見聞を広げるばかりに熱心だった男は、その旅先で出会ったリュカにも、いつかは要らぬ政争を抜けて自由に旅をしたいものだと告げてもいた。 ]
少し時間がかかりはしたが、いつかどこかの旅の空で会おうという約束は果たせたな。
[ その言葉と笑顔が、故国からの出奔が公子自身の意志によるものだと示したろう。* ]