[己の命を鑑みれば、着いてきてはならぬという条件を渋々受け入れるしか無く。
せめてとクレステッドに出来る限り近づいて耳打ちする。]
油断してはいけません。
ヤツの身体能力は尋常じゃない。
僕の威嚇射撃を全弾無傷でかわしたんです。
アレは人間の動きではない。
[暗に人ならざるヒト=人狼であると、警告し。]
どうか、ご無事で。
帰ったら向こうの事を教えてください。僕ら乗客には情報が少なすぎる。
[約束を受け入れてくれたかは分からないが、情報が足りないのは事実。海賊側の情報を掴むチャンスでもあると、考え直し。
そして通路に消える二人の背中を、みすみす逃がさざるを得なかった海賊《ガルー》を、唇を噛んでジッと睨みつける事だろう。]
(人狼で、海賊であるならば。次に遭った時に生かしておく道理はない。)
[唇に、わずかに血が滲んだ]