人狼物語−薔薇の下国

184 吸血鬼の共存試験


神学生 ファミル

[己の行動に、更に消耗が重なり見るからに不機嫌な真祖を見る。
その物言いに、更に訳もわからず泣きじゃくる。]

……ふぇ、……ひっく……だって……傷、塞がらない……

[罵倒する言葉も耳に入らないのか、そう言う姿は、皮肉にも今までで一番子らしいものだったかもしれない。
そんなことを思考する余裕すらないほど、ぐしゃぐしゃに泣いていた。]

……わかった、うん、なんでもする、から……
……だから、だから居なくならないで……

[真祖の心臓を宿した身が得た力、傷口に触れた手は、無意識に事象に干渉を始める。
術とは全く異なる、形式も手順も必要のなく、世界の理に触れる。
ただ切望する通りに。
クレステッドの胸の傷口を塞ぎ始めた。
そしてやがて、己の心臓を喰った者のこの虚ろに空いた赤い穴に生じる心臓はーーー

バランの血子であった身は再度の死を迎え、血の束縛は朽ちて消えた。
血兄弟に敏感なものがいたなら、兄弟が減じたのに気づくこともあるのだろうか。]

(177) 2014/05/10(Sat) 10:46:02

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