―― 中庭 ――[自分達自警団員は好きで彼ら彼女ら参加者を集めたわけではないそれぞれに理由があり、ハーランの場合それは年老いた養父母だった。誰かを連れて来ることではなく自分が来ることを選んだけれど、勿論あれの嫁になるなど絶対に嫌だ。こうして時折同僚を見掛ける集会場を制服ではなく私服で歩いていることは、お見合いに来てしまった事実を嫌という程実感させられ気が滅入る。あまり大勢のいる場所に向かう気分ではなく、足が向いたのは中庭だった。静かに佇んで、その場違いな程美しい風景を眺めている]