[その行為で気を引き締めたのだろう、男は周りへ向き直り]
眷属の無力化は完了、城館までは僕が責任もって運ぼう。 それと…そうだね、そこの君でいいか、同行するように。
それから…
[幾つかの指示を飛ばした後、先の連れであった女に向かえば]
あとはまかせる。頼んでいいよね!返事は聞かないけど。
[と、残りの仕事を押し付け、言葉の通りに返事も聞かぬまま、その場を去っていっただろう。
作戦に参加していた他の上級吸血鬼達に、一言の断りもしないまま。
彼が真にバランの血子であったなら、夜明けまでに彼女に引き合わせ、それから城館へ連れ帰らねばならない。
このままの状態で彼女にあわせるわけにもいかない為、時間の余裕などないに等しい。
男の血子は事情を知っているからだろう「他の方々には私から伝えておきますね、遅れる旨も」と、苦笑交じりに自身の血親を見送るのだった**]