―Eルーム―
[バイオリンを弾き終わり、そのバイオリンをケースにしまう。
パチンパチンと留め具を嵌めて、シメオンの装置のとなりに、そっと置いた。
そのとき、パチパチと拍手の音が聞こえ。>>169
振り向くと、予想だにしない人物が。
素晴らしい音色だねと、褒められたことには、ひとまず礼を。
彼女はメイン・サロンで共に戦い、そして唐突にぷつりと消えた人物だった。
名前も聞いて、どこか違和感を覚える。
(……こんなに、喋る人だったか?)]
ドロシー……ですか。
僕はトール。
……研究と言うと、具体的に何を?
[自分には含みを持って聞こえた言葉に、首を傾げてそう問うた。]