失礼いたします。殿下[薄く光る指先が、新しくできたての胸に走る傷と、左わき腹に走る傷をゆっくりと幾度も往復するようになぞっていく]あ、あの…アタシの友人を助けてくれて…ありがとうございます。[ルーを救い出すという行動から負った傷だ。だから自分が治すという努めは精一杯果たすつもりだ。なぞる指先が傷口を消毒し塞ぎ癒していく]