― 霊王の領域 ―[白い繭の内、青年は呼吸を整える。風の音、羽ばたきの音。それらから、彼らが追って来るのは感じていた] ……なぁ。 さっきよりも速い、よな?[小さく投げた問いに、そーだねー、と言わんばかりに白銀がきゅう、と小さく鳴く。意識してか無意識か、絆を深め互いを高めていくと知れる変化に浮かんだ笑みは楽し気で] ……形は変わっても、ちゃんと、伝わってる、か。[己が見たいと願ったもの。その一端に触れられたからこそ――こちらも更なる全力を、と。思ってしまうのは、気質故]