― 城内/通路 ―
[高い靴音が反響し、聖女に向かう。>>161
だが、先ほどから首筋を伝う魔気が光に近づくほどに強くなる。
混濁した気配は違えることも無い。
ユーリエの傍に魔物が居るのだ。
奥歯を噛むと共に、右手から漏れる風が脚を経過して加速を生む。
白い聖女>>172と銀髪の男>>170、
銀の髪色はクレステッドのそれより蒼に近い。]
ユーリエ…ッ!
[発する声は、ヴィンセントの後方から。
声に銀の魔物が反応すれば、威嚇するよう床を蹴る。
彼の脇を薙ぐように白金の刃が抜け、
浅い太刀は聖女の下へ侍る為の一動。
ヴィンセントとすれ違い様、その瞳を交わし、ユーリエを庇うように身を翻して、魔物と対峙。]