[ やがて、然程の時を置かず、長弓を備えた弓隊が、戦場へと到達する。
将軍の激を受け止め>>164奮戦する騎士達の壁に護られ、川を矢が越えられる位置まで来ると、弓兵達は、一斉に火矢を番えた ]
放て!
[ 馬上に在る男もまた、自らかけた号令と同時に、弓を引き、燃える矢を放つ。
通常は馬上では使えぬはずの長弓だが、弓の下方を握り、放つ構造故に騎射も可能な弓だ。
今も、一の矢を放つと同時に、馬を走らせ、風の力に後押しされるように北西方向へと駆けながら、二の矢、三の矢と、続けざまに魔軍の中に火矢を撃ち込む。
アンデッドが多く固まる場所を見定めながら男の放つ矢は、誰よりも遠くまで飛び、油にまみれた死者の群れを、忽ちのうちに、炎に包んだ ]